部分作動薬が、AMPA受容体の開く前の中間状態をとらえた
時間分解クライオ電顕でGluA2–γ2の4つの状態を解析し、ドメインの閉じ角約17°が分かれ道だと示した。
Proteins & Nucleic Acids
- GluA2–γ2(AMPA 受容体)Isoform Flip of Glutamate receptor 2,Voltage-dependent calcium channel gamma-2 subunit
Ligands
- カイニン酸
KAI3-(Carboxymethyl)-4-Isopropenylproline
- 疑問・課題
- AMPA受容体が開く前の中間体である前活性状態は、構造がよく分かっていなかった。
- アプローチ
- 部分作動薬またはGluを加えて素早く凍結する時間分解クライオ電顕で、GluA2–γ2の状態の集まりを調べた。
- 結果
- リガンド結合ドメイン(LBD)の閉じが約17°を超えると開状態か脱感作状態に進み、それより小さいと前活性状態にとどまった。
- わかったこと
- 前活性状態のゲートは閉と開の中間の形をとるが、孔は閉じたままで、イオンと水は通さない。
- 残された課題
- この方法では4つのサブコンダクタンス状態すべての構造は得られず、より速い時間分解クライオ電顕などが助けになるとされる。
Highlights
前活性状態ではLBDの上側(D1)の二量体界面が保たれたまま下側(D2)だけが離れる(S635間で24 Å、apoは17 Å)。前活性状態は、開状態と脱感作状態に分かれる分岐点にあたる。
“Pre-activation, therefore, represents an intermediate bifurcation point in the AMPAR gating pathway”Results
室温で作動薬を加えてから2.5秒以内に凍結した。KAは前活性状態だけ、IWは開状態だけ、NOWは3つの状態を示し、作動薬ごとに状態の分布が違った。
“with the time between the agonist application and plunging shorter than 2.5 s”Results
単一チャネル記録では、どの部分作動薬でもGluと同様に4段階のコンダクタンスが見られた。MDでは前活性状態で水が通らず、開状態では孔に水が行き来した。
“In contrast, for all open-state structures, the pore remained continuously hydrated throughout the entire simulation trajectories”Results
Lab Notes
- 発現系
- BacMam 系で HEK 293 GnTI− 細胞に発現。
- コンストラクト
- ラット GluA2flip(Q586)とマウス γ2(L207 で切断)の融合体。C 末端にトロンビン切断部位、eGFP、Strep-II。
- 精製
- 1% ジギトニンで可溶化し、ストレプトアビジン樹脂 → トロンビンでタグ除去 → Superose 6 Increase でサイズ排除。
- 結晶化/グリッド作製
- UltrAuFoil R1.2/1.3 の 300 メッシュ金グリッド。部分作動薬 250 μM(Glu は 1 mM)を加えて 2.5 秒以内に自作の装置で凍結。
- データ収集・解析
- Titan Krios(300 kV)、Gatan K3。cryoSPARC v4.4 で処理。
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