緑膿菌ファージA1002は、尾の繊維を2種類のタンパク質で組む
完全な粒子をクライオ電顕で解析。ノズルが2つのタンパク質に分かれ、尾に6本の鎖状繊維が巻きつく
Proteins & Nucleic Acids
- ノズルロープ gp39(ノズル)Structural protein
- 繊維 gp41(根元側)Structural protein
- 尾管 gp37(尾)Structural protein
- 繊維 gp40(先端側)Structural protein
- 疑問・課題
- 緑膿菌に感染するファージの高分解能構造は少なく、耐性株に感染するポドファージではDEVしか調べられていなかった。
- アプローチ
- カルバペネム耐性緑膿菌に感染するポドファージA1002の成熟粒子をクライオ電顕で解析し、AlphaFold3の予測も使って構成タンパク質を同定した。
- 結果
- 頭部から尾まで11種類の構造タンパク質を同定した。ノズルは2つのタンパク質に分かれ、尾に6本の鎖状繊維が巻きついていた。
- わかったこと
- ノズルの働きは2つのタンパク質に分担されていた。繊維は2種のタンパク質の二量体でできており、有尾ファージでは初めての報告という。
Highlights
一般的なポドファージのノズルは1本のタンパク質でできているが、A1002ではgp39とgp42が欠けた部分を補い合い、1つのノズルとして働く。祖先型の1本が2つに分かれたものと論文は提案する。
“Through this structural complementation, the nozzle-rope protein and the nozzle-base protein together reconstitute the architecture and function of a canonical nozzle protein.”Results
11組の繊維二量体がノズルのgp39に沿って並ぶ。先端側の7組はgp40でできた短く幅広い形、根元側の4組はgp41でできた細長い形をとる。根元側は標的探索の柔軟性、先端側は感染の合図を伝えるスイッチとして働く可能性がある。
“Dimers 1–7, located proximally at the distal tip and exhibiting a “stacked” arrangement, are shorter and wider”Results
尾全体のマップと尾の先端の局所マップを統合し、gp39と鎖状繊維の全体の密度を得た。ポータルとコラーの間の「結合タンパク質」は柔らかく、構造を決められなかった。
“However, this protein could not be resolved structurally, most likely due to its inherent flexibility”Results
Lab Notes
- 発現系
- 緑膿菌BP38-1にファージを感染させて増殖
- 精製
- PEG沈殿ののち、CsClの段階勾配で超遠心して精製
- 結晶化/グリッド作製
- Quantifoil R2/2グリッドに3 µLを載せ、Vitrobotで凍結
- データ収集・解析
- Titan Krios G4とFalcon 4iで撮影。頭部3.4 Å、ポータルとノズル3.1 Å、尾全体3.3 Åで再構成
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