環状RNAを作るリボザイムは、一価イオンを足場に活性部位を組み直す
8つのクライオ電顕構造が、分岐からバックスプライシングへ移る金属イオンの入れ替わりを示した
- 疑問・課題
- 分岐反応のあと、バックスプライシングへ移るときに活性部位がどう組み直されるかは、よく分かっていなかった。
- アプローチ
- Gdi-1 イントロンを K+/Mg2+・K+/Ca2+・Cs+/Mg2+ の3条件に置き、クライオ電顕で8つの状態の構造を決めた。
- 結果
- バックスプライシング直前の構造に、新しい一価イオン結合部位 K3 が見つかった。K+/Ca2+ では K3 も M2 も見えなかった。
- わかったこと
- K3 が γ–γ′ 相互作用を安定させ、4つの金属イオンからなる触媒の核が再構築されて、第2段階の活性部位ができる。
Highlights
分岐反応の直後に触媒金属イオン M1 が外れ、M2 だけが残る。D6 が下向きに動くと bpA が約20 Å回って G209 が遠ざかり、3′ スプライス部位が活性部位に入る。
“K1 and K2 occupy positions nearly identical to those observed in the pre-branching state, whereas M1 is no longer detected.”Results
K3 は C84・G210・U134 の間にあり、バックスプライシング直前の状態だけで見える。Cs+ に置き換えた構造でも同じ位置に Cs3 が入り、一価イオンという割り当てを支える。
“Located between C84 of the 2-nt bulge, G210 in the 5′SS region, and U134 of the 3′SS, this density resides immediately adjacent to both K1 and M1”Results
γ–γ′ 相互作用を壊す置換は環状RNAの生成を大きく下げ、塩基対を戻す補償変異でほぼ野生型の活性に戻った。この相互作用が第2段階の活性部位に必要だと示す。
“Together, these structural and biochemical data demonstrate that formation of the γ–γ′ interaction is required for productive assembly of the second-step active site, thereby promoting efficient backsplicing.”Results
Lab Notes
- 精製
- in vitro 転写した RNA を変性尿素 PAGE で分け、切り出して溶出・精製した。
- 結晶化/グリッド作製
- RNA を 20 mM の MgCl2 または CaCl2 とともに 37°C で30分置き、約15 µM に濃縮した。Vitrobot Mark IV で凍結した。
- データ収集・解析
- Krios G4(300 kV)と Falcon 4i で撮影し、cryoSPARC v4 で解析した。モデルは Phenix.real_space_refine で精密化した。