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  1. Structure Update

    GPR55 with inverse agonists (BI-6229, BI-8310)

    糖鎖の部位を変えると、GPR55の阻害剤が作動薬になる

    阻害剤との不活性型と活性型をクライオ電顕で解き、ヘリックスVIIの約90°の回転による活性化を示した

  2. Structure Update

    DnaB–DciA (V. cholerae)

    DciAは、DnaBの輪を楔のように割って開く

    DnaBとDciAの複合体を3.5 Åのクライオ電顕で解析。1本のN末端ドメインが輪の切れ目に入り込む

Structure Update2026.10.272 Articles

糖鎖の部位を変えると、GPR55の阻害剤が作動薬になる

阻害剤との不活性型と活性型をクライオ電顕で解き、ヘリックスVIIの約90°の回転による活性化を示した

PaperMolecular insights into GPR55 modulation reveal an atypical activation mechanism and glycosylation-dependent efficacy regulation

First authorTobias Claff (Boehringer Ingelheim Pharma GmbH & Co. KG, Germany)

CorrespondingTobias Claff, Dietmar Weichert (Boehringer Ingelheim Pharma GmbH & Co. KG, Germany)

JournalNature Communications

Published2026.10.24

LicenseCC BY-NC-ND 4.0

構造図:GPR55(脂質受容体)
疑問・課題
GPR55の阻害剤がどう結合するかの理解が乏しく、使いやすい化学プローブも不足していた。
アプローチ
阻害剤CID16020046との不活性型と、糖鎖部位N171Qの変異体で得た活性型を、クライオ電顕で解析した。
結果
不活性型は2.66 Å、活性型は2.77 Åで決まった。N171Qで阻害剤は作動薬になり、ヘリックスVIIは約90°回った。
わかったこと
ヘリックスVIの外向きの動きではなく、ヘリックスVII/VIIIの切り替えで活性化するという、非典型的な機構が示された。
残された課題
糖鎖の付く部位を変えると阻害剤が作動薬に変わる分子的な理由は、完全には分かっていない。

Highlights

不活性型ではヘリックスVIIがそのままC末端側へ伸びている。活性化するとヘリックスVIIが約90°回ってヘリックスVIIIができ、Gタンパク質が結合できるようになる。

原文

“In the inactive state, GPR55 lacks the amphipathic helix VIII, as helix VII extends into a continuous C-terminal helix.”Results

糖鎖の付くN171をQに変えると、CID16020046はEC50 10.2 nM・Emax 83%の強い作動薬になった。ただしこの切り替えはG13経路だけで、β-アレスチン2では見られない。

原文

“the efficacy switch of CID16020046 was exclusively present in the G13 pathway”Discussion

不活性型の構造を手がかりに、溶解性と選択性に難のある化合物4を改良してBI-8310を作った。膜透過性が低いため、in vitro用のプローブとして位置づけられる。

原文

“showed markedly enhanced solubility across a broad range of pH values”Results

Lab Notes

発現系
ICL3にbRILを入れ、C末端を削った受容体をTni昆虫細胞(High Five)で発現した。
コンストラクト
ICL3の213–215をbRILに置換し、C末端を306残基で切って、S108Kを導入した。
精製
LMNG/CHS-Tris可溶化し、StrepTactin XT樹脂で精製した。
結晶化/グリッド作製
Vitrobot Mark IVを使い、液体エタンに落として凍結した。
データ収集・解析
Titan Krios G4にSelectrisXフィルターを組み合わせて撮影し、cryoSPARCで処理した。

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DciAは、DnaBの輪を楔のように割って開く

DnaBとDciAの複合体を3.5 Åのクライオ電顕で解析。1本のN末端ドメインが輪の切れ目に入り込む

PaperStructural basis of DnaB ring opening by the ancestral helicase loader DciA

First authorLidia Araújo-Bazán (Centro de Investigaciones Biológicas Margarita Salas, Spain)

CorrespondingErnesto Arias-Palomo (Centro de Investigaciones Biológicas Margarita Salas, Spain)

JournalNucleic Acids Research

Published2026.10.26

LicenseCC BY-NC 4.0

構造図:DnaB・DciA(コレラ菌)
疑問・課題
DNAをほどく輪状の酵素DnaBを、DciAがどう開いて装填するのかは分かっていなかった。
アプローチ
コレラ菌のDnaB・DciA複合体をクライオ電顕で解析し、DciAの断片や変異体で機能を調べた。
結果
3.5 Åの構造で、DnaBは切れ目を1か所もつ右巻きの開いた螺旋になり、約16 Åの隙間ができていた。
わかったこと
DciAのC末端が輪の外側で土台になり、N末端ドメインの1つが切れ目に入って、輪を開いた状態に保つ。
残された課題
ヘリカーゼがDNAに載った後、DciAがいつ外れるのかは分かっていない。

Highlights

DciAの3分子は、1つおきのリンカーヘリックス・ドッキングヘリックスの対に結合する。うち1分子のN末端ドメインが、はずれたリンカーヘリックスの跡に入り、輪を割る楔になる。

原文

“Three DciA molecules dock onto alternate linker-helix/docking-helix modules, while one N-terminal domain (NTD) engages the cracked interface, occupying the pocket vacated by the displaced linker helix and acting as a wedge to promote ring opening.”Abstract

大腸菌のDnaCやファージλのPが作る開いた形と、DnaBの構造がよく一致した。配列も構造も無関係な因子が、同じ継ぎ目に短いヘリックスを差し込んで輪を開く。

原文

“Although unrelated in sequence and structure, DnaC, λP and DciA exploit the same mechanical gateway of DnaB.”Discussion

断片で調べると役割が分かれた。ATP分解の抑制は主にN末端側が担い、C末端側だけでは装填できなかった。N末端の変異T9E/I13Eでは装填活性が下がった。

原文

“whereas the isolated C-terminal fragment was completely inactive”Results

Lab Notes

発現系
コレラ菌のdnaBをC41株、dciAをBL21 codon-plus (DE3) RIL株の大腸菌で発現した。
コンストラクト
DnaBはC末端にTEV切断可能なMBP-His6タグ、DciAはN末端にHis6-MBP-TEVタグを付けた。
精製
Ni-Sepharose、TEV処理、再度のNiカラムの後、DnaBはSuperdex S200でゲルろ過した。
結晶化/グリッド作製
DnaBとDciAをモル比1:1.5で混合し、薄いカーボン膜つきのQuantifoil金グリッドに載せて凍結した。
データ収集・解析
Krios G4で撮影した4507枚の動画をRELION-5.0で処理し、3.5 Åのマップを得た。