糖鎖の部位を変えると、GPR55の阻害剤が作動薬になる
阻害剤との不活性型と活性型をクライオ電顕で解き、ヘリックスVIIの約90°の回転による活性化を示した
- 疑問・課題
- GPR55の阻害剤がどう結合するかの理解が乏しく、使いやすい化学プローブも不足していた。
- アプローチ
- 阻害剤CID16020046との不活性型と、糖鎖部位N171Qの変異体で得た活性型を、クライオ電顕で解析した。
- 結果
- 不活性型は2.66 Å、活性型は2.77 Åで決まった。N171Qで阻害剤は作動薬になり、ヘリックスVIIは約90°回った。
- わかったこと
- ヘリックスVIの外向きの動きではなく、ヘリックスVII/VIIIの切り替えで活性化するという、非典型的な機構が示された。
- 残された課題
- 糖鎖の付く部位を変えると阻害剤が作動薬に変わる分子的な理由は、完全には分かっていない。
Highlights
不活性型ではヘリックスVIIがそのままC末端側へ伸びている。活性化するとヘリックスVIIが約90°回ってヘリックスVIIIができ、Gタンパク質が結合できるようになる。
“In the inactive state, GPR55 lacks the amphipathic helix VIII, as helix VII extends into a continuous C-terminal helix.”Results
糖鎖の付くN171をQに変えると、CID16020046はEC50 10.2 nM・Emax 83%の強い作動薬になった。ただしこの切り替えはG13経路だけで、β-アレスチン2では見られない。
“the efficacy switch of CID16020046 was exclusively present in the G13 pathway”Discussion
不活性型の構造を手がかりに、溶解性と選択性に難のある化合物4を改良してBI-8310を作った。膜透過性が低いため、in vitro用のプローブとして位置づけられる。
“showed markedly enhanced solubility across a broad range of pH values”Results
Lab Notes
- 発現系
- ICL3にbRILを入れ、C末端を削った受容体をTni昆虫細胞(High Five)で発現した。
- コンストラクト
- ICL3の213–215をbRILに置換し、C末端を306残基で切って、S108Kを導入した。
- 精製
- LMNG/CHS-Tris可溶化し、StrepTactin XT樹脂で精製した。
- 結晶化/グリッド作製
- Vitrobot Mark IVを使い、液体エタンに落として凍結した。
- データ収集・解析
- Titan Krios G4にSelectrisXフィルターを組み合わせて撮影し、cryoSPARCで処理した。
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