MspAは、周りの脂質のアシル鎖を部分的に整列させる
脂質ナノディスク中の2.5 Åクライオ電顕構造に、32本のアシル鎖が決まった位置で見えた
Proteins & Nucleic Acids
- MspA(ポリン)Porin MspA
Ligands
- 脂質アシル鎖
MYSPentadecane
- 疑問・課題
- DNA解読に使われるナノポアMspAは、脂質膜に入った状態の実験構造がなかった。
- アプローチ
- 解読用の変異体M2 MspAを脂質ナノディスクに埋め込み、クライオ電顕で構造を決めた。
- 結果
- 分解能2.5 Å。バレルの外側に、1サブユニットあたり4本、計32本のアシル鎖が決まった位置で見えた。
- わかったこと
- MspAは周囲の脂質のアシル鎖に秩序を与える。著者は、ナノポアの設計で脂質環境を考える重要性を指摘している。
- 残された課題
- 脂質の極性頭部の密度ははっきり見えず、動きやすいと考えられている。
Highlights
外側の疎水面に脂質アシル鎖の結合部位が並び、鎖はタンパク質の表面の形に沿って収まる。底部のバレルの溝では、鎖が細孔の軸に対して約45°傾く。
“they adopt a ∼45° tilted orientation relative to the tunnel axis”Discussion
M2変異でD90N/D91N/D93Nに置き換わった細孔のくびれは、負電荷が弱まりほぼ中性になる。全体の折りたたみは野生型の結晶構造とほぼ同じで、Cα RMSDは0.38 Åだった。
“generating a markedly more neutral surface charge within the constriction”Results
細孔の内側のHis148に、これまで報告のないN1メチル化が見つかった。大腸菌で作った組換え体で、ナノポアの性能に影響する可能性があると著者は考えている。
“mass spectrometry identified N1 methylation of His148 (fig. S1), which accounts for the observed density”Results
Lab Notes
- 発現系
- 大腸菌BL21-Gold (DE3)で発現。18 °Cで一晩誘導。
- コンストラクト
- M2 MspA(残基1–184)。N末端His-tag付きで、pET28a(+)に組み込み、トロンビンでタグを切断。
- 精製
- DDMを含む溶解液を95 °Cで15分熱処理し、HisTrapで精製。
- 結晶化/グリッド作製
- MSP2N2とPOPCのナノディスクに再構成(八量体:MSP2N2:POPC = 1:3:300)。酸化グラフェンをのせたグリッドにVitrobot Mark IVで凍結。
- データ収集・解析
- 200 kVのGlacios、Falcon IV。RELION 5.0とcryoSPARCで処理し、C8対称・82,082粒子で2.5 Å。
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