ハンタウイルスは棘の中央の穴で受容体を捉える
アンデスウイルスのスパイクとPCDH1の複合体を2.6 Åのクライオ電顕で解いた
Proteins & Nucleic Acids
- Gn(糖タンパク質)Envelopment polyprotein
- Gc(糖タンパク質)Envelopment polyprotein
- PCDH1(受容体)Protocadherin-1
- 疑問・課題
- 新世界ハンタウイルスは受容体 PCDH1 で細胞に入るが、その結合の構造的な仕組みは分かっていなかった。
- アプローチ
- 可溶性のスパイク四量体を PCDH1 と共発現して精製し、クライオ電顕で解いた。変異体と深部変異スキャンで結合部位を調べた。
- 結果
- PCDH1 の EC1 ドメインは、Gn 四分子がつくる中央の深い窪みに入り込んでいた。窪みは Fab が入るには狭かった。
- わかったこと
- PCDH1 はウイルス粒子の上のスパイクだけを認識する。抗体は窪みをふさぐか、かさ高さで受容体の接近を妨げて中和する。
Highlights
1個の受容体が4個のウイルス糖タンパク質と接する結合様式で、論文は、著者の知る限り他の外被ウイルスで見られていないとしている。EC1 は隣り合う2つの Gn と主に接触する。
“This mode of interaction, whereby one receptor molecule interacts with four viral glycoproteins, represents a binding mode that to our knowledge has not been observed in any enveloped virus”PCDH1 binds to a central spike pocket
Gn の3つのループが結合部位をつくる。旧世界ハンタウイルス HTNV のスパイクにこの3ループを移すと、PCDH1 に弱く結合するようになった。
“a chimeric rVSV-HTNV bearing all three receptor-binding loops from ANDV Gn, but not the GnH CD loop alone, could now bind to PCDH1, albeit relatively weakly.”Structural basis of receptor use
中和抗体4種のうち、ANDV-5 と MIB22 は窪みを直接ふさぐ。ADI-65534 と ANDV-34 は窪みに入らず、IgG の定常領域による立体障害で競合すると考えられる。MIB22 と GnH の複合体は X 線で 3.1 Å に解かれた。
“We therefore determined the crystal structure of an antibody fragment of MIB22 in a complex with ANDV GnH at a resolution of 3.1 Å”Mechanistic basis of ANDV neutralization
Lab Notes
- 発現系
- ショウジョウバエ S2 細胞で安定発現し、CdCl2 で誘導。
- コンストラクト
- Gn・Gc の細胞外領域に人工の四量体化ドメイン HALC4_136 を分割して融合。
- 精製
- Strep-Tactin 親和、TALON、Superose6 のゲル濾過の順。
- 結晶化/グリッド作製
- 0.34 mg/ml を UltrAufoil グリッドに 3 μl のせ、Vitrobot Mark IV で凍結。
- データ収集・解析
- Titan Krios と Falcon 4i、ピクセルサイズ 0.7455 Å。
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