ロタウイルスは、VP7が開けた孔から細胞質へ出る
感染中の細胞をクライオ電子線トモグラフィーで撮り、人工膜の実験でVP7の孔あけを確かめた
Proteins & Nucleic Acids
- VP7(外殻)Outer capsid glycoprotein VP7
- VP2(内殻)Inner capsid protein VP2
- VP6(中間殻)Intermediate capsid protein VP6
- 疑問・課題
- 外殻のVP7が外れたあと、内殻粒子(DLP)がどう細胞質へ送り込まれるのかを調べた。
- アプローチ
- 細胞に入るロタウイルスをクライオ電子線トモグラフィーで撮影し、人工膜(リポソーム)でもVP7の働きを調べた。
- 結果
- 取り込まれた小胞の膜には大きな孔が1つだけ開いていた。Ca2+のない単量体VP7も、リポソームに大きな孔を1つ開けた。
- わかったこと
- VP7だけで、観察された孔を作るのに足りる。Ca2+を失って外れたVP7が、DLPを細胞質へ出す孔の主役とみられる。
- 残された課題
- VP5*が孔の形成に加わった可能性は、細胞のトモグラフィーだけでは除けないと論文は書く。
Highlights
小胞に取り込まれるとCa2+が抜け、VP7が粒子から外れる。外れ始めるのは膜と密着した面の反対側で、密着した面のVP5*がVP7の層を安定化しているらしい。
“uncoating initiated away from the site of attachment”Results
VP7のC末端側の残基292〜312は、まっすぐ伸びると長さ約30 Åの両親媒性ヘリックスになると考えられる。この部分だけの合成ペプチドも、全長の単量体VP7とよく似た孔をリポソームに開けた。
“If straightened, W292–K312, would form a perfectly amphipathic, ~30 Å-long α helix.”Results
7回の実験で838枚のトモグラフィー像を撮り、吸着から取り込み、孔あけ、DLPの放出までを6段階に整理した。細胞は薄く削らずにそのまま観察できた。
“We could describe the entry pathway in six steps”Results
Lab Notes
- 結晶化/グリッド作製
- BSC-1細胞に、これまでの生細胞観察より多めのウイルス粒子を加えて撮影した。
- データ収集・解析
- 838枚のトモグラフィー像(7回の実験)。
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